我思う故に我在り

「なんでもよいよ」が困る理由と回避するための対処法

「晩ごはん何食べたい?」「なんでも良いよ」という王道のやりとり、あなたもやったことがあるのではないだろうか。
「何でも良いよ」が困る理由と、「何でも良いよ」と言わせない対処法を考えてみた。

「何でも良いよ」が疲れる理由

夕飯を考える手間って、けっこう負担かかるよね。
夕飯を作る機会は1日1回。1ヶ月で30回。1年で365回。

つまり、我々主婦勢は、1年のうちに365回も、夕飯を考えないといけないのだ。
これって、けっこう労力かかってると思う。

だって例えば、今日の夕飯何にしようかなとか考えるときに、一緒に考えるべきことはなんだろうか。

栄養素や子供の食べやすさ、前日の献立との比較や翌日のお弁当への活用のしやすさ、自分の腕前とコスト、冷蔵庫の中身や家族の好み、旬の季節や副菜との相性、時間や手間、ゴミの日が近いかとか、そういったそれらもろもろを無意識にでも脳内検索しているはずだ。

こうやってあらためて言葉にすると、「何だそれ、無理ゲーかよ?!」と思う。

であるからして、「今日の夕飯、なにが食べたい?」と愛妻から振られたとき、決してないがしろにするなかれ。
「なんでも良いよ」なんていうのは、タブーである。

もしあなたが心のうちで「リクエストすると負担がかかるだろうし、君が作ったものなら何でも美味しいよ、マイハニー♡」とか甘ったるいことを考えていたとしても、当のマイハニーからはブリザードの視線で射抜かれてしまうだろう。

そう、その優しさは、全く見当違いも甚だしいのである。

合コンで例えて言うなら、「なんでもいいよ♡」という言葉は、あれだ。

「私、福岡出身なんだ~」と言った女性に対して、「え?俺、福岡弁って好きなんだよね!なんか喋ってよ♡」と言っているようなもんである。

リクエストした男性の方は、
「よし!あなたは俺の好みの一つに当てはまってますよとアピールできたし、相手をほめた俺って好印象?!」
とか甘ったれたことを思っているかもしれない。

しかし女性からすると、「雑なフリをするんじゃねえよ!何しゃべれっちゅーねん!仕事できねーやつだなクソが」と思うのである。
(やや過激な表現をしております。全ての女性が当てはまるわけではありません。)

ちなみに、相手が歴戦の猛者、すなわち合コンクイーンの場合は、こんな雑なフリでも手慣れたものだ。
すかさず、「好いとーよ♡」とか、恥じらいつつもカウンターをかませてくる。

もし、あなたの相手が合コンクイーンでないならば、「なんかしゃべってよ♡」ではなく、「今朝見た朝刊の中で印象的な記事への考察を福岡弁で述べよ」と伝えた方が、まだましかもしれない。
(実践したとしても、当方は全く責任を負いませんのであしからず!)

そう、「今日のご飯、なんでも良いよ♡」がダメな理由は、相手の脳内に、負荷をめちゃめちゃかけるからだ。
いうなれば、「自分の持ちうる経験全てにアクセスをかけないといけない」という状態だ。

その点、「今日は飲みたい気分だから、おつまみにぴったりなものが良いな♡」と言われたらどうだろうか。
「今まで自分が食してきた全ての料理」から一転して、「今まで自分が晩酌して美味しいと感じたもの」だけの検索範囲になるのである。

あなたの嫁が物心ついて30年経っているとするなら、30年×365日×3食=32,850食。
しかし、あなたの嫁が飲んだ日が12年(お酒は20歳になってから)だとすれば、12年×365日×1食=4380回。

そう、脳内アクセスへの負荷が7.5倍も変わるのである。

つまり、「なんでも良いよ」と言ったあなたは、「自分がリクエストするよりも7.5倍の負荷をかけて考えて」と言っているようなもんである。

どうだろうか。
「なんでも良いよ」という言葉が、それこそ優しさではないことがおわかりいただけただろうか。

考えの支柱というか、拠り所があるだけで、相手は非常に楽なのである。
そんなわけで、「今夜のごはんはなんか食べたいのある?」と聞かれた場合、ちゃんと答えてほしい。

なんなら、「肉!」とかだけでも良い。

「なんでも良いよ」と言わせないための対処法

では、「なんでも良いよ」と言わせないためにはどうしたら良いだろうか。

例えば、「なんでも良いよ」が一番困ると伝えるのはどうだろうか。

早速、夫に「何でも良いよ」といわれたらどれだけ困るかを伝えたところ、夫からは「では、豆乳ホワイトクリームを使ったパスタを所望する」と言われた。

地味に手がかかりそうだったので、謹んで辞退させていただいた。

なんだよ、豆乳ホワイトクリームって。

そんな小洒落たもの、食べたことないわ。

まぁでも、「何を食べたい?」という振りも、よくよく考えれば相手の脳内に負荷をかけている気がする。
そうだよね、自分が思いつかないからって人に丸投げするのもなんか違うものね。

相手が明確にリクエストがあるなら別だけどね。

というわけで、聞く方も「今日の夕食は魚と肉のどっちが良い?」とか、「今日はあっさりとこってりのどっちの気分?」と聞いてあげた方がよいと反省した。

それで「どっちでも良いよ」とか言われたら腹が立ちそうだけど。

しかし、「豆乳ホワイトクリームのパスタ」とか作れなさそうなものを答えられる方が嫌だ。

それを回避するためにも、今後はそういう大雑把な質問にしようと思った。

「なんでもよいよ」が困る理由と回避するための対処法まとめ

まとめるとこんな感じ。

要点まとめ

・「なんでも良いよ」は脳内検索のアクセス量が多くて疲れるのでやめてくれ

・質問する側も、相手が考えやすいように選択肢を与えるようにしよう

このように、質問をする側もされる側も、こうしてすこしずつ思いやりを持ち合わせていくと良いかなと思った。